ホテルによっては、高階層に特別階と呼ばれるフロアが存在します。それが、
「クラブフロア・エグゼクティブフロア」です。
通常フロアと比べると数千円から数万円の違いがあり、お手頃とは呼べません。
しかし、そのサービスはまさしくエグゼクティブ。
多くのホテルが特別階専用のラウンジを常設し、
軽食や飲み物、夜にはアルコールを含む簡単な食事まで取る事が出来ます。
勿論、料金は宿泊費に含まれているので、何も気にせずゆっくり楽しむ事が出来ます。
特別階専用のコンシェルジュが居る事もあり、
レストランの予約から、ちょっとしたサプライズのお願いまで、
様々な要望を引き受けてくれます。
こちらでは、そんな特別階「クラブフロア・エグゼクティブフロア」があるホテルをご紹介します。
特別階に泊まる事を趣味としている筆者の感想も記載しますので、
ホテル選びの参考になれば幸いです。(感想は辛口です、あくまで個人の感想です。)

クラブフロア・エグゼクティブフロア~東京~1
ザ・リッツ・カールトン東京「ザ・リッツカールトンクラブレベル」
会員制度「リッツカールトンリワード」

2015年に全面リニューアルが図られた特別フロア。
客室は52階と53階のみ(一部スイートは除く)でどの部屋も50㎡以上と贅沢な造り。
対象客室数は約60室です。
サービス名 | 備考欄 |
クラブラウンジの利用 | 53階 営業時間7時~22時 ラウンジでのチェックイン・チェックアウト可 コンシェルジュサービス有 7時~11時は朝食 和洋食のブッフェ形式です 12時~14時はミッドデイスナック ケーキやサラダ等の軽食 14時30分~16時30分はアフタヌーンティー アフタヌーンティーセット 17時30分~19時30分はオードブル ワインやスパークリングも一緒に愉しめます。 20時~22時はナイトキャップ 料理の一部は下げられますが、その他はそのまま愉しめます。 土・日・月曜日限定15時~16時30に 「ハープ&アフタヌーンティー」 ハープの生演奏が楽しめます。 土曜日には15時30分~16時くらいで、 「ウィークリーワンダーズ」というアクティビティが用意されています。 |
プレッシングサービス&靴磨きサービス | 2着&2足まで |
ネット無料 | |
お部屋にネスプレッソ | |
スパ施設優待 |
ホテルインホテルの代表格であるリッツカールトン。
基本的に通常フロアとの違いはラウンジの有無と靴磨きやプレスサービスの有無です。
売りである5段階のフードプレゼンテーションは中々のインパクト。
アフタヌーンティーセットに始まり、時間毎に様々なフードやドリンクを楽しめます。
リニューアルされてラウンジも広々としました。
提供される物も、平均的に見れば中々の品質。
アフタヌーンティーセットの最上段は非常に美味しいデザートが提供される事が多く、
このクラブラウンジでしか味わえない場合が多いです。
どの時間帯でもアルコールが楽しめるのは嬉しい点。
夜の時間帯はカクテル等も作っていただける為、色んな楽しみ方が出来ます。
なんと、シャンパンが復活していました。
リッツオリジナルのシャンパンで、
恐らくプレゼント用の赤ワイン等と同じプライベートブランドの物だと思います。
他のアルコールの質が平均レベルなので、
お酒好きにはもう一歩質が上がって欲しかったのは事実。これは非常に嬉しい点です。
通常フロアとの価格差は以前と変わらず13,000円程。
全体の価格としては5,000円~8,000円程値上がりしています。
都内の特別フロアとしては最高額の宿泊費になるかと思います。
筆者としてはコスパを考えると流石に厳しいかなと言わざるを得ません。
まず、繁忙期や週末はラウンジがかなり混雑します。
その際、提供されるフードが枯渇する事が多いです。
補充も、ラウンジの広さにしてはペースが遅いので、
ゆっくりしていると食べたい物が何もない状態になる恐れがあります。
また、人手不足な感は否めません。
以前はライブラリー前のカウンターバー周辺にコンシェルジュがいたはずなのですが、
持ち場を離れる事が多い様で、カクテル等が頼みづらくなってしまいました。
以前の価格帯ならフード等の質は高評価にしていましたが、
流石にこの価格帯になるともう1ランク上の物でないと、厳しい気がします。
このホテルの特別フロアに何を求めるかにもよりますが、
リッツカールトンらしさを求めるなら通常フロアでも十分感じられます。
やはり、リッツカールトンの特別フロアには、
リッツカールトンの特別フロアならではの「色々な豊かさ」を筆者は求めてしまいます。
よりよいサービスになる様、1ファンとして心から願っています。
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一休JTB |
シャングリ・ラ ホテル 東京「ホライゾンクラブ」
会員制度「ゴールデンサークル」

36階と37階に位置する特別フロア「ホライゾンクラブ」
国内唯一のシャングリ・ラホテルです。
対象客室数は37室です。
サービス名 | 備考欄 |
ホライゾンクラブラウンジの利用 | 37階 営業時間6時30分~22時 ラウンジでのチェックイン・チェックアウト可。 コンシェルジュサービス有。 6時30分~10時30分は朝食ブッフェ 「メゾン・ラデュメンヌ」のクロワッサンを筆頭に、 オーダーメニューも豊富な朝食です。 10時30分~22時はオールディティータイム フレッシュメロンジュースが有名です。 17時30分~20時はイブニングカクテル ワインや日本酒を含んだアルコールが楽しめます。 ホットミールも多数あるオードブルもご一緒に。 |
モーニングコールの際、ドリンクサービス | 希望者のみ |
スーツ・ドレスのプレスサービス | 各1着まで |
靴磨きサービス | 2足まで |
16時までのレイトチェックアウト | ホテル状況により時間短縮有 |
ホライゾンクラブ専用バスアメニティ | ブルガリ |
まずはクラブラウンジから。
都内ホテルのクラブラウンジでは、絶対に見逃せないラウンジの1つです。
いつ滞在しても、多少の差異はあるものの、安定して高い品質の物を提供しています。
特にメロンジュースは、他のラウンジでは見かけない絶品の1品。
イブニングカクテルサービスも非常に高い品質の物が提供されています。
アルコールも全体的に質が良く、ラウンジではここでしか見ない様なレベルの物も。
朝食も、品数こそやや控えめですが、筆者が知る限り、エッグベネディクトが、
いつでも数種類楽しめるクラブラウンジはここだけです。
また、食材や料理のレベル的にも、
朝食のみで評価すれば恐らく都内ナンバー1のクラブラウンジだと思います。
最近になって、ラウンジではアフタヌーンティーのサービスも始まったそうです。
他の特典も、アメニティがブルガリになる等、特別感が高く素晴らしいです。
滞在費は約7万円に近く、価格帯がかなり上がってきた点は気になります。
以前は平均して6万円代前半、安いと5万円代後半とかなりお得だった為、
コスパに関しては厳しいですが、それを補って余りある特典がある為、
偶の贅沢には打ってつけのホテルではないでしょうか。
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一休JTB |
グランド ハイアット 東京「グランドクラブフロア」
会員制度「ハイアット ゴールドパスポート」

特別フロアとしては珍しく、各階に対象部屋が散らばっています。
基本的には「グランドクラブ」という名前の付く部屋とスイートが対象になっています。
対象客室数は97室です。
サービス名 | 備考欄 |
グラウンドクラブラウンジの利用 | 10階 営業時間7時~22時 ラウンジでのチェックイン・チェックアウト可 コンシェルジュサービス有 7時~10時30分はブレックファスト ブッフェスタイルです 17時~19時30分はイブニングカクテル アルコールとカナッペが楽しめます |
スパ・ジム施設無料 |
通常フロアとの主な違いはラウンジの利用有無とスパ無料。
ラウンジは、ブレックファストとティータイムは特筆すべき点はありません。
ティータイムの質・量共に平均以下というやや残念な感じです。
ホテルメイドなのですが、種類も質も、もう少し頑張って欲しいです。
ブレックファストは味にバラつきこそありますが、和食はオススメ出来ます。
注目すべきはイブニングカクテル。
2時間半と時間はやや短めですが、ワインの質は都内でも類を見ない充実っぷり。
昨今は中々手に入り難くなったシャンパン「ルイロデレール」も楽しめ、
おつまみも総じて及第点レベル。飲みながら楽しむには丁度良いかと。
転じて、アルコールが飲めない方にとっては、やや厳しい評価になるかもしれません。
クラブラウンジのコンシェルジュの方も丁度良いサービスです。
惜しむらくは、他フロアのコンシェルジュやレストランのサービスの質が全体的に低い事。
また、通常フロアとの価格差は1万5千円~2万円で、宿泊費自体も、
アンダーズやパークハイアットが視野に入る為、気軽にオススメし辛いです。
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一休JTB |
ハイアット リージェンシー 東京「リージェンシークラブ」
会員制度「ハイアット ゴールドパスポート」

グランドハイアットと同じく、特別フロア対象ルームが散らばっています。
日本初のハイアットとして今でも多くの方に愛されています。
対象客室数は72室です。
サービス名 | 備考欄 |
リージェンシークラブラウンジの利用 | 9階 ラウンジでのチェックイン・チェックアウト可 コンシェルジュサービス有 営業時間6時30分~22時 6時30分~10時は朝食 洋食が中心のブッフェスタイルです 18時~20時はカクテルアワー ホットミールも含めたオードブルとアルコールが楽しめます それ以外の時間帯はティータイム 紅茶やコーヒーをクッキー等のお茶菓子と共に。 |
通常フロアとの違いは基本的にラウンジの利用有無のみ。
ラウンジは席数も多く、中々の広さです。
しかし、対象客室も相応に多い為、週末はかなり混雑する事も。
どの時間帯も至って平均的な品揃えと質。
ティータイムのお茶菓子はやや寂しい品揃え。拘りもあまり感じません。
カクテルアワー、朝食も、特筆すべき点はありません。
通常フロアとの価格差は約1万円。ラウンジの質を考えるとやや厳しい気も。
ホテル内レストランが比較的安く楽しめる為、更に悩ましいです。
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楽天トラベル一休じゃらんるるぶJTB |
パレスホテル東京「クラブフロア」
会員制度「ザ・パレスクラブ」

2012年に全面リニューアルが施されたパレスホテルの特別フロア。
一転して国内を代表する高級ホテルに。
対象客室数は74室。
サービス名 | 備考欄 |
クラブラウンジの利用 | 19階 営業時間7時~22時 ラウンジでのチェックイン・チェックアウト可 コンシェルジュサービス有 7時~10時30分は朝食 やや品数は少な目、和朝食が美味しいです 14時~16時はアフタヌーンティー クッキーや紅茶、フルーツが楽しめます。 17時30分~20時はイブニングカナッペ アルコール類とカナッペが楽しめます。 |
プレスサービス無料 | 3点まで |
ピローミスト | オリジナルアロマで1滞在1本 |
駐車料金無料 | |
お部屋にネスプレッソ | |
エビアンスパ東京温浴施設半額 | 通常(2,570円) |
主なサービスはラウンジの利用です。
天気の良い日はクラブラウンジ隣接のテラスでも食事等を楽しめるのが好印象。
いずれの時間帯も品数こそやや少な目ですが、質は高めな物が多いです。
アフタヌーンティーは、種類こそ少なめですが、お茶菓子としては十分。
特に和菓子は納得の美味しさ。
残念ながら何が提供されるかはその日によって違うのですが、
みたらし団子と水まんじゅうに関しては、あれば是非召し上がって頂きたいお茶菓子です。
イブニングカナッペはアルコールに関しては変わらず質が高く、
特にワインやシャンパンに関しては中々のクオリティです。
一方、フードに関しては特筆すべき点はありません。
ホットミールはない為、おつまみ程度なので、お酒を飲まない方には厳しいかもしれません。
朝食は、品数こそやや少なめながらも、どれも質が高い物です。
特に別途注文出来る和定食は、量こそ少ないですが、美味しくオススメ出来る朝食です。
コンシェルジュの質は総じて高め。日本らしいおもてなしが受けられます。
恐らくパレスホテル内でも優れたコンシェルジュばかりになっているのだと思います。
通常フロアとの差額は10,000~20,000円と、宿泊日によってかなり差があります。
全体的に質が高く、アルコールが飲める方なら一考の価値ありかと思います。
ただ、ホテル内レストランには名店も多く、
特別フロア分の差額をディナーやランチに宛がうのも選択肢の1つかと思います。
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一休JTB |